米国株、本帰国の前に売る?後に売る?
米国で払う税と日本で払う税(為替の分を含む)の見当くらべ
この画面は、国税庁・IRS が公表している税率と決まりに、入れた数字を当てはめた目安です(公表された決まりの整理で、相場の予測でも、売り買いや税の個別の助言でもありません)。売る・売らないの判断はご自身で。税の判断は日米の税の専門家へ。
日本に住む前(日本の非居住者で、米国の居住者の間)に売れば、米国の税(連邦・州)がかかり、日本では課税されません(非居住者の米国株の売却は、日本の課税の対象に入っていません=No.1936)。日本に住み、米国の居住者でもなくなってから売れば、日本の税 20.315% がかかり、ドルの値上がりだけでなく「買った時より円安になった分」も利益に入ります。米国の居住者の期間は原則その年の12月31日まで続くので、帰国した年のうちに日本で売る場合は、2つの数字のどちらにも当てはまらないことがあります。① 評価額と買った額 ② 為替 ③ 米国の税率 の3つで、2つの税の見当を出します。
先に: この計算の前提と、当てはまらない人
- この画面の「帰国後に売る」は、日本に住み、米国の居住者でもなくなってから売る場合です。米国の居住者の期間は、米国を出た日で終わるとは限りません(IRS Pub 519「Your residency termination date is December 31, 2025, unless you qualify for an earlier date」。引用は2025年分の版で、年はその年に読み替えます=原則はその年の12月31日まで。早く終えるには条件があり、IRS へ声明書を出します)。帰国した年のうちに売る場合は、この画面のどちらにも当てはまらないことがあります(下の「気をつけること」)。
- 当てはまらない人: 米国市民・二重国籍の人(条約があっても米国は市民に課税します=日米租税条約1条4)/グリーンカードを持っている・持っていた人(15年のうち8年以上持っていた人は、米国の出国税 Exit Tax の対象になりえます=IRS Form 8854 の記入要領)/日本国籍が無く、過去10年で日本に住んだ期間が5年以下の人(非永住者=所得税法2条1項4号)。
- 保有が1年以下の株は、米国では長期の税率(0%・15%・20%)ではなく、通常の所得として累進の税率です(IRS Topic No. 409「If you hold it one year or less, your capital gain or loss is short-term」)。この画面は1年を超えて持っている株だけを計算します。
- 会社の株式報酬(RSU・ESPP・ストックオプション)で受けた株も、この画面の対象外です。日本での取得費の扱いを、この画面の資料では確かめていません。
- 年の途中で州を移った人(part-year)の州の税は、1つの率では表せません。
- 収集品(coins や art など)の利益は最高 28% です(IRS Topic No. 409「Net capital gains from selling collectibles (such as coins or art) are taxed at a maximum 28% rate」)。金・銀の現物を裏付けにした ETF がこれに当たるかを、この画面では確かめていないので、そうした ETF も対象外です。
① 売ろうとしている株・ETF の額(ドル)
- 米国の証券口座の明細などにある、今の評価額(Market Value)と、買った額(Cost Basis)の合計です。売る予定の銘柄だけを足します。
- 保有が1年を超える分だけを入れます。毎月積み立てている人は、売る日から1年以内に買った分を除きます(明細などで、買った日ごとに確かめます)。
② 為替(1ドルが何円か)
- 日本で売る場合、売った額は、原則として約定日の「対顧客直物電信買相場により邦貨に換算した金額による」、買った額は「対顧客直物電信売相場により、上記に準じて行う」と通達にあります(措置法通達37の10・37の11共-6。日本の証券会社の外国株の口座を前提にした書き方です)。日本の証券会社を通さない米国の口座の売買に、この通達がそのまま当たるかは書かれていません。一般の決まりは、取引の日の TTM(電信売相場と電信買相場の仲値)です(所得税基本通達57の3-2)。
- 何回かに分けて買った人は、買った日ごとの為替で円にしてから足します。この画面は見当なので、平均の為替1つで計算します。日本に住む前(非居住者の間)に買った株の円換算を名指しで扱った国税庁の資料は、見当たりませんでした。
③ 米国での税率(帰国前に売る場合)
- 連邦の長期の譲渡益の税率は、給与なども含めたその年の課税所得(控除の後)で 0%・15%・20% の段に分かれます(IRS Topic No. 409。ページの線の数字は2025年分)。給与が高い人は、利益が小さくても 20% の段のことがあります。利益が段の線をまたぐ人は、線を超えた分だけが上の率になるので、実際はこの画面と違います。
- NIIT(純投資所得税)は、「3.8 percent on the lesser of」=純投資所得と、MAGI が線(単身・世帯主 20万ドル・夫婦合算 25万ドル・夫婦別々 12.5万ドル)を超えた額の、少ない方に 3.8% です(IRS Topic No. 559)。線は物価で変わらない固定の額です。純投資所得には、株を売った利益が入ります(Topic No. 559「net gains from the disposition of property such as stocks」)。チェックを入れると、利益の全額に 3.8% を足して計算します(実際はこれより少ないことがあります)。
- 州の税率は州ごとに違います。自分の州で株の利益にかかる率を確かめて入れます(この画面は州ごとの率を確かめていません)。空のままなら0%で計算します。
見本: 評価額 15万ドル・買った額 8万ドル・買った時 1ドル110円・今 150円・連邦 15%・NIIT なし・州 0%。
入れた数字は、このブラウザの中だけで使います。保存も送信もしません。ページを閉じると消えます。
この画面がしないこと
- 売る・売らない・いつ売るかを決めることはしません。日米の申告書の作成もしません。
- 連邦の税率の段・NIIT の線を超えた分の細かい計算、州税の計算、短期の保有の税、米国での損の扱い、出国税(Exit Tax)の計算はしません。
- 帰国前に売って、受け取ったドルを帰国後に円に替える時の為替の扱いは見ていません。
- 株価・為替のデータは取りに行きません。入れた数字と、公表の税率だけで見当を出します。